石橋汐陽

父の死を乗り越え目指す大きな夢「LIVE配信で“革命”を起こしました」【石橋汐陽|ミスター中央コンテスト2024】

今回は、ミスター中央コンテスト2024エントリーNo.4の石橋汐陽さんにインタビューしました!

石橋汐陽(いしばしゆうひ)

石橋汐陽

ミスター中央コンテスト2024エントリーNo.4。商学部経営学科3年。/提供:学生団体RP

活動的な大学生活

在学中に学生団体の立ち上げや長期インターンの参加など、積極的な活動を続けてきた石橋さん。将来は起業を目指しており、ミスターコンに出場したのも「起業を目指す過程を逆算したから」だという。

起業家だった父の影響で、大学生になってから『俺も起業家になりたい』って思うようになったんです。なので、大学ではビジネス経験を積むために学生団体をいくつか立ち上げたり、長期インターンで新規事業開発に携わったりしてきました」

一見すると素晴らしい大学生活ではあるが、「そんなことはない」と石橋さんは苦笑しながら否定する。

実は、学生団体も新規事業も全部潰しちゃったんです…(笑)。どれも僕が舵を取っていたんですけど、結局は僕の能力が足りずに失敗に終わってるんです。けど、そうなると将来自分が起業家になってサービスを立ち上げたとしても、それをユーザーに購入してもらえる未来が見えなくなって。だからこそ、まずは僕自身のファンを増やしたり、僕自身が愛される人間になるべきだと思って、そのための手段としてミスターコンを選んだ感じです」

まさに”逆算思考”でミスターコン出場を決めた石橋さんだったが、その逆算思考は活動中に幾度となく発揮しており、その最たる例がLIVE配信だった。

そもそも、大学ミスターコンではいくつかの審査項目をもとに順位が決められる。その一つがLIVE配信で獲得したポイント数なのだが、このLIVE配信がなかなかに難易度が高い。なぜなら、SNS運用はネット上に「どうすれば伸びるか」といった情報がいくらでも転がっている一方、LIVE配信ではその手の情報が圧倒的に少なく、自分なりの戦い方を見つけるしかないからだ。そのため、ミスコン・ミスターコン出場者でLIVE配信の経験がない人にとって、LIVE配信は大きな壁の一つとなっている。

もちろん、それは石橋さんにとっても同様で、LIVE配信はおろかSNSでの発信活動もしたことがなかった石橋さんは、「何をすべきなのか」に頭を悩ませた。しかし、ここで活きたのが石橋さんの”逆算思考”だった。

「まず、僕はミスターのファイナリストで、ミスよりも視聴者を集めづらいというのはわかっていました。なので、最初はとにかく目立って話題になるような企画を考えたり、毎日最低5時間は配信したり、がっつり認知を取りに行こうと思いました。で、ある程度認知が取れた後は、今度はその視聴者さんたちに僕のファンになってもらわないといけないので、『僕がなんでミスターコンに出ているのか』とか『僕は将来こういうことをやりたいんです』みたいに、僕の中の想いを語る時間を徐々に増やしていったんです」

石橋汐陽

提供:学生団体RP

初期段階で認知を獲得して、その中から濃いファンを作っていく。多くの有名インフルエンサーが実行しているベーシックなマーケティング手法ではあるが、これを実行できる大学生が全国にどれだけいるだろうか。

そして、この戦略を基にLIVE配信を続けた石橋さんは、全国の大学のミスターが順位を競うLIVE配信イベントで全国3位を獲得した。しかも、1位と2位はLIVE配信の経験者だったそうで、未経験者としては石橋さんがトップということになる。

「まったくの未経験からそこまで登り詰められたので、そのときはファンの方に『革命起こしたね』って言っていただきました

父の死で変わった人生観

そんな戦略的な思考ができる石橋さんだが、昔から理詰めで物事を考えるタイプだったわけではなく、「高校生までは起業なんてまったく考えていなかった」と語る。

「高校生まではずっとApexばっかりやってて、『お父さんいるし大丈夫っしょ! 俺はプレデター目指す!』って感じで、めちゃくちゃ人生ナメてたました(笑)」

しかし、大学生になってある出来事がきっかけで、石橋さんの人生は大きく変わることとなった。

大学1年生のときに父が心臓病で急死したんです

石橋さんの家族は、石橋さんと妹とお父さんとお母さんの4人家族だったため、家族の中の男性が石橋さん一人になった。

「母親も当時専業主婦で、僕は学費の高い私立大学に通っていたので、『俺が動かないとマズいな』って思いました。そこから、本当にいろいろ考えるようになって、父のような起業家を目指そうと思うようになりましたね」

父親の死という20歳では受け入れがたい現実に直面しながらも、家族を守るために石橋さんは自分を変える決断を下したのだ。

「最後までできることをやり切りたい」

現在は佳境を迎えているミスターコンの活動だが、石橋さんは最後まで入念な準備を続けている。

「LIVE配信の期間は終わったので、もうファイナルまでできることは限られているんですけど、目標はグランプリなので、最後までできることは全部やりきりたいですね」

ちなみに、現在3年生の石橋さんだが、ミスターコンの忙しい合間を縫って就活を行い、既に第一志望から内定を獲得しているという。

「大企業よりは実力主義、成果主義の会社に行きたかったので、これから伸びそうなミドルベンチャーを受けて、内定をいただきました。まずは就職してバリバリ結果残して、最終的な目標である起業に向けた準備をしていきたいですね」

石橋汐陽

提供:学生団体RP

取材・文:ワダハルキ

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