西村愛結

「憧れ」と「弱さ」の共存 1年生ファイナリストの成長物語【西村愛結|ミスキャンパス同志社2023】

人は誰しも、自分の中に「弱さ」を抱えながら生きているものだ。

その「弱さ」に対する向き合い方は人ぞれぞれだが、多くの場合、その「弱さ」を克服する方向に進んでいくのではないだろうか。

ミスキャンパス同志社2023ファイナリストの西村愛結さんは、「弱さ」の克服のための舞台としてミスコンを選んだ。それも、1年生で、だ。

一見すると「強さ」さえ感じる西村さん。そんな彼女が抱える「弱さ」とは、果たして。

西村愛結(にしむらあゆう)

西村愛結

ミスキャンパス同志社2023エントリーNo.3。商学部商学科1年。高校時代からミスキャンパス同志社に憧れ、念願の出場を果たした。ファイナリスト唯一の1年生。

「憧れ」と「弱さ」の狭間で

同志社大学の付属高校に通っていた西村さんにとって、高校時代から見ていた同志社大学のミスコンは、まさに憧れの場所だった。

「高校生のときから見ていて、『いつか私も出たいな』ってずっと思ってました

その気持ちの強さは、1年生の4月にミスコンに応募したことからも十分うかがえる。

しかし、西村さんがミスコン出場を決めたのは、単に「出たかったから」だけではない。

西村愛結

幼少期よりバレエ、ピアノ、チアリーディングなど、「人前に出る」経験を積んできていた西村さんは、「人前に出ることがとにかく楽しかった」と言う。しかし同時に、緊張したり、自信がなくなったりして、自分が思うようなパフォーマンスができなくなることも多かった。

そんな悩みを抱えていたときに目にしたのが、自分の憧れでもあるミスコン出場者の言葉だった。

「過去のミスコン出場者の方々が、『ミスコンに出場して自分に自信が持てるようになった』っておっしゃっているのを見て、『私もミスコンに出れば、自分に自信が持てるようになるかな』と思ったんです

「ミスコンへの憧れ」と「自分の弱さの克服」。

この2つを持っていた西村さんにとって、1年生でのミスコン出場は、もはや“必然”であった。

「憧れ」の裏側に直面する日々

念願のミスコン出場を果たした西村さん。実際の活動について聞いてみると、ミスコンならではの「大変さ」を語ってくれた。

西村愛結

「1年前まではミスコンを見る側でしかなかったので、今思えば、『当時の私は、ミスコンの表面的な楽しさしか見えてなかった』って思いました。例えば、私の場合、SNSを一つ投稿するのにも、ものすごく時間をかけて考えちゃうんです。あとは、撮影やイベントのスケジュールも思ったよりぎっしり入ってて、学業やアルバイトとの両立が難しいですね…」

加えて、今年のミスキャンパス同志社のファイナリストの中で1年生は西村さんただ一人。つまり、他の5人は全員自分よりも年上という状況である。

社会人になれば年齢を気にすることはほとんどないが、10代後半から20代前半の大学生にとっては1、2年の年齢差でも、精神的に壁を感じることは多い。ましてや、自分が年下であればなおさらだ。

事実、西村さんも最初は他のファイナリストに対してかなり気を遣ってしまったそう。

「高校時代にも部活で先輩と関わることはあったんですけど、それでも2歳上までだったので、(3歳上の)4年生は『お姉さん』って感じで緊張してました。なので、最初はずっと敬語で話してて、『敬語じゃなくてもいいよ』って言われても、どうしても敬語が抜けなくて…

西村愛結

ファイナリストとしての活動がスタートしても、どうしても心から打ち解けることはできない。

その現実は、当初、西村さんが抱いていたミスコンへの「憧れ」とは、かけ離れたものだった。

「すごく楽しかった」

そんな状況を変えたのが、8月に関東で行われたイベント後の6人でのお泊り会だった。

それまでは6人のスケジュールがなかなか合わず、全員揃ってゆっくりする時間がなかったが、そこでようやく全員でゆっくり話す時間が取れたそう。

「みんなで映画見ながらゆっくりご飯食べて、いろんな話をして、一緒にインスタライブもしましたね

ミスコンのファイナリスト同士の関係性は、“グランプリを争うライバル”と表されることが多い。もちろん、そういった側面はあるだろうが、それ以上にミスコンのファイナリストは「悩みや苦悩、思い出など、楽しいことも辛いことも何でも共有できる存在」でもあるのだろう。

最後にグランプリを獲得できるのはただ一人で、その過程ではファイナリスト各々が自分で努力する必要がある。しかし、その努力をするための精神的な支えとなるのが、他でもない、同じファイナリストなのだ。

西村愛結

「あのお泊り会は、すごく楽しかったです!」

この日以降、西村さんの敬語はなくなり、のびのびとミスコン活動に打ち込めるようになった。

ミスコン出場の先に描く未来

1年生で念願のミスコン出場を果たした西村さんだが、決してミスコン出場がゴールではない。彼女は、既にその先の未来も思い描いている。

「モデルさんだったり、女優さんだったり、人前に立つお仕事に就きたいとはずっと思ってます

その願望は高校時代からあったものの、それを形にできる自信が自分の中にはなかった。

しかし、今回のミスコン活動を経て、自分の中でも確かな手ごたえや変化を実感しつつある。

「今まではずっと勇気が出なかったんですけど、今はもっといろんな人に私のことを見てもらいたいですし、人に影響力を与えられるような存在になりたいです」

西村さんの成長は、これからも続いていく。

西村愛結

取材・文:ワダハルキ

撮影:けんを

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