氏師みなみ

2度の挫折で失った自信 それでも彼女がミスコンに挑む理由【氏師みなみ|ミスキャンパス同志社2023】

「努力」や「挑戦」には「挫折」は付き物だ。むしろ、その挫折を乗り越えた先にこそ、成功が待っていることも多い。

しかし、1度の挫折であればまだしも、2度挫折を経験してもなお、「努力」を続けられる人は何人いるだろうか。

ミスキャンパス同志社2023ファイナリストの氏師みなみさんは、高校までに2度の挫折を経験した。それにも関わらず、現在3度目の「努力」としてミスコンに挑戦している。

なぜ彼女は、2度挫折を経験してもなお、努力を続けられるのか。その理由を聞いた。

氏師みなみ(うじしみなみ)

氏師みなみ

ミスキャンパス同志社2023エントリーNo.1。法学部法律学科3年。1年生の頃からアナウンススクールに通っており、現在はミスコンと並行してアナウンサー試験に挑戦している。

中学・高校で味わった挫折

凛とした佇まいが印象的な氏師さんだが、小学生時代は毎日鬼ごっこをして遊ぶほど活発だったと言う。

「小さい頃は毎日走ってばっかりで、将来のこととかは何も考えてなかったですね(笑)」

そんな快活な少女時代を過ごした氏師さんは、中学校では陸上部に入り、大好きな「走ること」を突き詰める日々を過ごす。しかし、3年生の最後の大会で、予想外の挫折を経験する。

「部活では同期が16人いたんですけど、私1人だけ大会で賞が獲れなかったんです。そのときは結構落ち込みましたね…」

その経験もあって高校では心機一転し、弓道部に入部した。しかし、またしても大会で賞を獲ることができなかった。

部活の練習も休まずに、家でも自主練に励んでいてたこともあり、この現実は氏師さんの心に重くのしかかった。

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「当時は努力が全然報われなかったので、自分で自分が嫌いになるぐらい自己肯定感が下がっていました。そのせいで、友達と普通に明るく会話することもできなくて、本当に苦しかったです」

そんなときに目にしたのが、ミスキャンパス同志社2020ファイナリストの木原渚さんのインスタグラムだった。

「たまたまインスタで見かけた木原さんの投稿がすごく輝いていたので、フォローして、ちょくちょく投稿を見るようになったんです」

それまでは、「ミスコン=キラキラした舞台」ぐらいのイメージしかなかった氏師さんだったが、木原さんの日々の投稿を追いかけるうちに、毎日のSNS投稿やコメント返し、LIVE配信など、ミスコン出場者の苦労を知っていった。

「ミスコンって、こんなに大変なんだ…」

しかし、木原さんの笑顔は、日を追うごとに輝いて見えるようになっていた。

「なんで? 大変じゃないの?」

最初は理由がわからなかったが、あるとき気が付いた。

ものすごく努力しているから、自分の中で絶対に揺るがない自信がある。だからこそ、常に笑顔でいられるんだ」

氏師さんにとってそれは、これまでの自分にはない感覚だった。

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そして同時に、氏師さんの中で、ある思いが沸き上がっていった。

ミスコンに出れば、私ももっと自分に自信を持って生きられるかもしれない

このときから、氏師さんの目標は「同志社大学のミスコンに出場すること」となった。

段階を踏んでミスコンにエントリー

同志社大学のミスコン出場を決意した氏師さん。受験も突破して、めでたく憧れの同志社大学に入学したが、すぐにミスコンにエントリーはしなかった

「高校時代は本当に肌も真っ黒で、メイクはもちろん、日焼け止めも塗らなかったぐらい美容への意識がなくて…。なので、1年生のときは『このまま出場しても、恥かくだけだな』って思って、まずは自分を磨くことに集中しました

続く2年次も様子を見て、満を持して3年生でエントリー。晴れて、憧れだったミスコンファイナリストとなったが、やはりミスコン活動は一筋縄ではいかなかった。

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「SNSも撮影も、最初は全然慣れなくて、課題が山積みで全然どうしていいか分からない状態でした…」

特に、SNSは使い方すらわからず、ネットや本で使い方を調べるところからはじめたと言う。

百人いれば百通りの活動方法があるミスコンだが、今の時代、SNSの活用無くしてグランプリを掴むことは、ほぼ不可能だ。そんな現代のミスコンにおいて、活動前からSNSに精通していることは大きなアドバンテージとなるが、当然その逆もまた然り。

しかし、氏師さんは慣れないながらもコツコツ更新を続け、徐々にSNSを使いこなせるようになっていった。

加えて「最初はカチコチだった」撮影も、他のファイナリストの撮影を見て勉強して、徐々に表情もポーズも柔らかくなっていった。

「他のファイナリストの方と比べると全然ですけど、最初の頃よりは堂々と撮影に臨めるようになってきた実感はあります(笑)」

「自分の思いをちゃんと伝えたい」

不器用ながらもミスコン活動に全力で打ち込む氏師さんだが、ミスコンと同じぐらいの熱量を持って現在取り組んでいるのがアナウンサーの就活だ。聞けば、1年生のころからアナウンススクールに通っていると言う。

「アナウンサーを目指すようになったきっかけは、小学生時代に地元の地方紙に文章を書いたときの経験が大きいですね」

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当時小学生だった氏師さんは、自分の伝えたい内容を上手く文章にすることができなかった。結果的に新聞には自分の文章が載ることになったが、その内容は到底満足のいくものではなかったそう。

それ以降、「どうすれば自分の考えを相手に伝えられるのか」を考えるようになり、試行錯誤の末、一つの結論にたどり着いた。

「テレビのニュース番組で、アナウンサーの方がわかりやすくニュースを伝えている姿を見て、『テレビなら声や表情も同時に使えるから、文章よりも自分の伝えたいことをちゃんと伝えられるのかも』って思ったんです」

「3度目の正直」を掴むために

現在3年生の氏師さんは、アナウンサーの就活とミスコン活動を同時に進めている。この2つを両立させることがいかに大変であるかは、想像に難くない。

中学・高校で味わった2度の挫折を思い出し、「またダメかもしれない…」と考えることもあるだろう。

しかしそれでも、氏師さんは日々コツコツと努力を続けている。それは、彼女自身が本気で「自分に自信を持てるようになりたい」と思っていることに他ならない。

「自分の意見を持って、芯のある堂々とした人間になりたい」

取材の最後に出てきた彼女の言葉にも、そんな強い覚悟が垣間見えた。

「3度目の正直」を掴むために、今日も氏師さんは精一杯ひたむきに努力を続けている。

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取材・文:和田遥樹

撮影:けんを

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