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サッカー選手を諦めて掴んだ大学合格 “普通の大学生”が抱く“大きな野望”とは【渡邊知来|ミスター中央コンテスト2024】

今回は、ミスター中央コンテスト2024エントリーNo.1の渡邊知来さんにインタビューしました!

渡邊知来(わたなべともき)

渡邊知来

ミスター中央コンテスト2024エントリーNo.1。法学部政治学科3年。提供:学生団体RP

“男の青春”を満喫

中央大学のサッカーサークルで副会長を務めている渡邊さんは、小学生の頃からサッカーに打ち込んできた。当時はプロ選手を目指していたこともあり、中学もサッカーの強豪校に進学。しかし、周囲のレベルの高さやチームの指導方針が合わなかったこともあり、中学生にしてプロ選手になる道を断念した。

そして、高校はサッカーではなく勉強で進学。高校のサッカー部はお世辞にも”強いチーム”とは言えなかったが、渡邊さんはその環境に不満はなかったという。

「高校の部活はめちゃくちゃ弱くて、いつも3人とかで練習していたんですけど、『高校では自由に練習したい』って思ってたんで、その環境はベストでしたね。ただ、よくわからない偉そうなOBに3年間指導されることになったので、よくモメてました(笑)。サッカーよりも口のほうが成長できたかも(笑)

ちなみに、渡邊さんがサッカーではなく勉強で高校に進学したのには、もう一つ理由があった。

「3つ上に兄がいるんですけど、兄は指定校推薦で同志社大学に行ったんですよ。中学生の僕からしたら『え、受験せずに大学行けるのか!』っていうのが衝撃で、指定校推薦がある高校に行こうと思って高校決めました(笑)

指定校推薦を密かな目標にしていた渡邊さんだったが、高校入学早々に暗雲が立ち込める。

「高1のときの僕のクラスがめちゃくちゃ遊ぶやつばっかりで、僕もめちゃくちゃ遊んじゃって。指定校推薦を取るなら評定は4.3ぐらいは必要なんですけど、高1時点で3.7ぐらいしかなかったんですよね…」

さすがに「ヤバい」と感じた渡邊さんは、1年生の途中から学校の寮に入ることを決意。スマホを強制的に回収され、学校の勉強以外にも1日4時間の自習が課されるような勉強漬けの環境に身を置き、学校の評定を上げることにすべてを捧げる覚悟を決めた。

傍から見るとかなり厳しい生活にも思えるが、以外にも寮生活の記憶は辛いものではないという。

「もちろん寮では勉強ばっかりやってたんで大変だったんですけど、寮の仲間が最高すぎて。人数も10人ぐらいで男ばっかりなので、もう毎日何かしら面白いことやってましたね(笑)」

まさに”男の青春”とも言える日々を過ごしていた渡邊さんだったが、徐々に学校の成績も向上していった。そして、高校3年次の評定も指定校推薦の基準をクリアし、念願の指定校推薦の枠を勝ち取った。

“普通の大学生”がミスターコンに

渡邊知来

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高校で”男の青春”を満喫した渡邊さんはサッカーサークルで副会長を務めているとはいえ、ミスターコンのような人前に立つ活動はまったくの未経験。いわゆる“普通の大学生”だった渡邊さんは、どのようなきっかけでミスターコン出場を決めたのだろうか。

「実は、僕のサッカーサークルは毎年ミスターコンとかミスコンに出場者を出すっていう文化があって、去年のミスのグランプリ(金すみれさん)も同じサークルなんですよ。それで、今年は『誰を出そう?』ってなってたんですけど、僕が運営の方に『出てみませんか?』って誘っていただいたこともあって出場を決めました」

しかし、前述の通り渡邊さんは表に立つような活動の経験はない。活動開始当初は何もかもが緊張の連続で、「失敗したらどうしよう」という気持ちが大きかったという。

「ステージに立つのもガクブルでしたし、カメラで撮影されるのも始めてだったので、最初はほんとに全部酷かったと思います(笑)」

また、ミスターコン活動ならではのLIVE配信にも苦戦した。

「配信って自分の顔をずっと見ながら、たくさんの人と喋るじゃないですか。それが慣れてなさすぎて、最初は配信のたびに原稿用意しておかないと何にもできませんでした」

渡邊さんにとっては何もかもが始めての経験だったが、活動を経て少しずつ慣れてき部分もあり、今ではファイナルも「楽しみ」と言えるほどに成長した。

「熊本の農業を変えたい」

そんな渡邊さんが掲げる将来の目標は、ここまでの話を聞いていると意外な内容だった。

大きなことを言えば、熊本の農業を変えたいです

渡邊さんの祖父母は農業を営んでいるそうで、筍などを作っている。しかし、商品を作って売るまでの過程は全部アナログで、収穫した作物を自分たちで市場まで持って行って売らなければならない。しかも、売れ残った商品は捨てるしかない。この農業の非効率さや無駄の多さに、渡邊さんは常々疑問を抱いていたのだ。

「今の農家って、みんなすごく非効率な売り方しかできてないんですよ。これが例えば、ネットで販売できるようになるだけでも、市場に持っていく手間も売れ残りの心配もかなり減らせると思うんです」

実際、日本の農業では渡邊さんが言ったような課題を抱えている農家は多いのだろう。とはいえ、結局は現場を変えないことには解決しない問題であるだけに、なかなか抜本的な解決策は国も行政も打ち出せていない。

しかし、幼い頃から農業に触れてきた渡邊さんはそういった農業の現状を「なんとか変えたい」と思っている。

「自分は農学部じゃなくて法学部なんで、制度的な側面から農業を変えられたらとは思ってます。なので、大学卒業後はまずは農業関係の会社に就職して、もっと農業のことを学んでいろんな経験も積んでから、熊本に戻って活動したいですね」

そして、そんな農業への想いと同じぐらい、今はミスターコンへの想いも燃やしている。

「ミスターコンはここまで頑張ってきたので、グランプリはもちろん目指します。あとは、コンテストに出て終わりにはしたくなくて、このミスターコンで経験したことや自分が感じたことを言語化して、自分の糧にしていきたいです。それこそ、このミスターコンで培った発信力を活かして、農業を変えていきたいと思ってます」

渡邊知来

提供:学生団体RP

取材・文:ワダハルキ

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